クラシック 作曲家 特徴

グレゴリオ聖歌とはローマ・カトリック教会の典礼のための聖歌です。中世のヨーロッパではローマ・カトリックこそが社会・文化の中心だったことから、このグレゴリオ聖歌はヨーロッパ各地で歌われ、発展していきます。この頃の音楽はまだ楽器の伴奏などはなく、歌のメロディだけでした・・・。このグレゴリオ聖歌がクラシック音楽のはじまりと言われ、ヨーロッパ各地で長い年月を経て変化していきながらも根付いていきます。 西洋クラシック音楽史は大きく分けるとバロック・古典派・ロマン派・近代音楽に分類されます。それ以前の音楽はルネサンス音楽、それ以降の音楽は現代音楽と呼ばれますが、一般的にクラシック音楽として認知されているのは「バロック〜近代音楽」の時代において作曲された曲です。この記事ではバロック〜近代音楽に活躍した、これだけは抑えておきたいクラシック作曲家を時代別に一覧にしてみました。クラシックを専門としない弦楽器製作家や演奏家、さらには作曲家・DTMerの方も、今回紹介する作曲家については最低限知っておくと良いと思います。目次バロック時代は17世紀初頭から18世紀半ばまでの音楽の総称です。王が絶対的な権力を行使していた時代に作られた音楽で、宗教音楽やオルガン・チェンバロ用の鍵盤音楽、室内楽曲を中心に対位法音楽が発展しました。厳かな印象を与える楽曲が多いのが特徴で、ドラクエの王宮で流れる音楽は大体バロック時代の音楽がモチーフになっています。関連記事:アントニオ・ヴィヴァルディ(1678~1741)ヴェネツィア出身のヴァイオリニスト兼作曲家「ヴィヴァルディ」。カトリック教会の司祭として生涯を過ごし、誰もが知る「協奏曲を得意とした作曲家とも知られており、25曲を超えるヴァイオリン協奏曲が存在します。ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685~1750)バッハは西洋音楽の基礎を作り上げた「音楽の父」として、現代において高い評価を得ている大御所作曲家です。宗教音楽をメインに作曲活動を行い、「無数のオルガン曲が残されていますが、ヴァイオリン曲も非常に多いため、ヴァイオリン演奏者にとっては極めて重要な人物といえます。ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685~1759)バッハが音楽の父であるならば、ヘンデルは音楽の母です。オルガン曲・宗教音楽をメインに作曲したバッハに対し、ヘンデルはオラトリオ・管弦楽曲・オペラ作品の作曲家として名を馳せました。わかりやすいメロディを生み出す能力に長けており、教会よりも大衆向けの作曲家として人気があったといわれています。代表曲は「メサイア(ハレルヤコーラス)」「水上の音楽」「見よ、勇者は帰る」など。いずれも覚えやすいメロディであり、現代においても頻繁に聴く機会があります。クラシック音楽史における古典派とは一般的にバッハがこの世を去った1750年からベートーヴェンが亡くなる1827年までを指します。古典派の時代ではフランス革命をキッカケに関連記事:ヨーゼフ・ハイドン(1732~1809)古典派の大御所「ハイドン」。貴族御用達の作曲家として活躍し、交響曲・弦楽曲を中心に1000曲以上の曲を作り上げました。代表曲はドイツ国歌としても知られる「CMやドラマであまり曲が流れないせいか、やや地味な印象がある作曲家ではありますが、弦楽器奏者としては極めて重要な作曲家です。ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756~1791)クラシック音楽家屈指の天才「モーツァルト」。管弦楽曲、オペラ、ピアノ曲といった多岐にわたる分野において大きな功績を残し、現代においても揺るぎない人気を誇る作曲家です。代表曲は「モーツァルトが残した曲は「α波」が出やすいリラックス効果のある曲として人気を高めています。ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770~1827)「ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン」。クラシック作曲家としては、おそらくもっとも知名度が高い人物でしょう。難聴によりほとんど耳が聞こえなくなっても曲を書き続けた不屈の精神をもつ作曲家であり、ピアノ曲としては「ベートーヴェンの音楽は現代のみならず当時の音楽界でも絶大な支持をあつめ、ロマン派以降の作曲家に多大なる影響を与えたとされています。ロマン派音楽は古典派音楽を「ロマン派主義」の精神によって更なる高みへと押し上げた、クラシック音楽において最も華やかな時代といえます。ロマン派主義は18世紀末から19世紀で起こった精神運動の一つであり、「理性偏重」「合理主義」といった特徴をもった古典主義とは異なり、古典派音楽よりメロディアスな曲が多く、クラシック音楽初心者でも楽しめる曲が多岐にわたって存在することが特徴です。関連記事:カール・マリア・フォン・ウェーバー(1786~1826)ウェーバーはオペラの作曲家として当時絶大な人気を誇った作曲家です。彼は数々のドイツオペラを書き続けることで、同ジャンルの認知度と知名度を上げ、そして並々ならぬ努力の結果「現代においての知名度は低いですが、ワーグナーへドイツオペラの歴史をつなげた人物として、音楽史においては非常に重要視されています。ジョアキーノ・ロッシーニ(1792~1868)イタリアオペラの作曲家として活動した「ロッシーニ」。「明るい作風」のオペラを得意とし、親しみやすい喜劇の数々は大衆から絶大な支持を受けたとされています。44歳にして引退し、以後は美食家として活躍したというユニークな生涯を送ったことでも有名です。代表作は「ヴェルディやプッチーニといった後の大作曲家に影響を与えた功績も見逃せません。フランツ・ペーター・シューベルト(1797~1828)「フランツ・ペーター・シューベルト」は貧しい生まれであれながらも「愛されキャラ」によってのし上がった人に好かれる作曲家です。シューベルトの人脈から生まれたシューベルトを称える音楽会「シューベルティアーデ」によって名声を博し、人の和によって頭角を現しました。代表曲は「典型的な死後に評価された作曲家であり、31歳という若さでこの世を去っています。エクトル・ベルリオーズ(1803~1869)「ベルリオーズ」はクラシック音楽史において非常に重要な人物です。音楽と他の芸術を絡める標題音楽の概念を確立させ、自身の失恋体験を曲にした「また、大半のクラシック音楽家は幼少期の頃から英才教育を施されていますが、ベルリオーズが本格的に音楽の勉強を始めたのは14歳の頃。ピアノが上手くなかった大作曲家という稀有な存在だったりもします。フェリックス・メンデルスゾーン(1809~1847)「古典派に近い作風であり、「フレデリック・ショパン(1810~1849)クラシック音楽の作曲家としては1位2位を争う知名度を誇るショパン。ショパンのメロディーは繊細かつロマンティックであるため、非常に印象に残りやすいです。現にCMやドラマに採用されることが他の作曲家よりも圧倒的に多く、クラシック音楽に興味がない人でも頭の中にメロディーが刷り込まれています。生涯の殆どをピアノ曲の作曲に捧げた彼はまさに「ピアノの詩人」。生み出された名曲たちは今尚多くの人々に愛され続けています。ロベルト・シューマン(1810~1856)前期ロマン派の作曲家として絶大な人気を誇るシューマン。彼は多くの悲劇と熱い恋愛による激動の人生を送り、その生き様を象徴するかのような繊細で美しい名曲は死後から約170年が経過した今尚、多くの音楽ファンに愛され続けれています。代表曲は「幻想小曲集 作品12より ロマンティックなメロディーの数々から、まさにロマン派を象徴とする存在だといわれています。後期ロマン派は半音階的和声の多用や楽器構成の拡大が図られ、作り上げられる楽曲はどの曲も壮大となりました。ただ、その分演奏時間も長くなっているため、現代人にとってはややとっつきにくいです。標題音楽の理念に基づいて音楽を構成したワーグナー、伝統的な絶対音楽の価値観を崩さずに作曲活動を展開したブラームス、民族主義音楽を根付かせたスメタナやシベリウスといった作風が大きく異なる作曲家が登場し、以降クラシック音楽は多様性に溢れるものとなっていきます。関連記事:関連記事:フランツ・リスト(1811~1886)ピアノの魔術師「フランツリスト」。ピアノ学習者なら誰もが一度はフランツ・リストに憧れたことがあると思います。代表作はピアニスト時代に作られた「リヒャルト・ワーグナー(1813~1883)リヒャルト・ワーグナーは「楽劇王」と呼ばれ、音楽界のみならずヨーロッパの政治や社会情勢にも強い影響を与えた人物です。これまでの常識を打ち破る画期的な技法を多岐に渡って取りいれ、クラシック音楽の方向性を大きく変えた人物として知られています。クラシック初心者には敷居の高い「オペラ作曲家」であったことから、ワーグナーのことをよく知らないという方も多いですが、音楽史においては1位2位を争うほど超重要人物です。代表作品は「ジュゼッペ・ヴェルディ(1813~1901)ヴェルディはイタリアのロマン派作曲家として「オペラ」を発展させたオペラ界の巨匠です。生涯に渡ってオペラの作曲に励み、『なお、代表曲はサッカー日本代表の入場曲「ブルックナー(1824~1896)「ヨーゼフ・アントン・ブルックナー」は後期ロマン派の時代に活躍したオーストリアの作曲家です。交響曲の大御所としてドイツ圏を中心に絶大な人気を誇ります。ただ、難解なうえに長い演奏時間を要する作品ばかりであるため、超玄人好みの作曲家であるといえます。代表曲は「クラシック音楽にどっぷり浸からないと、その真髄は味わえないといわれています。ヨハネス・ブラームス(1833~1897)ヨハネス・ブラームスはベートーヴェンの後継者として古典主義的な音楽を多岐にわたって残した人物です。ハイドン・モーツァルト・ベートーヴェンといった古典派の作曲家を崇拝しており、ロマン派の作曲家の中で最も古典派に近い存在と称されました。ベートーヴェンの10番目の交響曲と言われるほどの名声を獲得した「サン=サーンス(1835~1921)サン=サーンスはパリに生まれ、フランスの作曲家として活躍したロマン派作曲家です。幼少期からベートーヴェンやモーツァルト、ハイドンといった古典派音楽に興味を抱き続けてきたサン=サーンスは、フランスの作曲家としては珍しく「古典的な音使い」を得意とする作曲家として活躍しました。音楽センスだけでなく、天文学・生物学・絵画といったあらゆる分野に精通してきた彼は「構造的な音楽」を好み、ピアノ曲・室内楽・交響曲を中心に古典派時代の音楽性を彷彿させる作品を多岐にわたり生み出します。代表曲は「一般的な知名度は低めですが、良い曲が多いです。ピョートル・チャイコフスキー(1840~1893)メルヘンチックな曲調から現代においても人気が高いチャイコフスキー。メロディーメーカーとしての高い才能を持っていたこともあり、現代においても圧倒的な知名度を誇ります。美しく繊細なメロディーは弦楽器との相性がよく、ヴァイオリン奏者やチェロ奏者のレパートリーとして演奏される機会はとても多いです。アントニン・ドヴォルザーク(1841~1904)交響曲第9番「ドヴォルザークは国民楽派の大作曲家として多大なる功績を残した作曲家です。美しく、そして親しみやすいメロディー。を武器に多岐に渡るジャンルで名曲を残しました。後期ロマン派において時代を大きく動かしたのはワーグナーやドビュッシーかもしれませんが、この時代の作曲家において現代でも幅広く親しまれているのはドヴォルザークでしょう。エドヴァルド・グリーグ(1843~1904)グリーグは19世紀中盤から20世紀の頭にかけて国民楽派の作曲家として活躍し、代表曲は《ペール・ギュント》第1組曲 「ガブリエル・フォーレ(1845~1924)ガブリエル・フォーレはロマン派の終焉とフランス印象派の掛け渡し役となった人物で、美しい室内楽曲の数々を世に残しました。後世に影響を及ぼす大曲が無かったせいか、ドビュッシー、ラヴェル、サティといった有名作曲家に存在が埋もれがちですが、憂いを帯びた繊細な曲の数々は人気が高いです。小曲がメインであるため忙しい現代人でも親しみやすく、クラシック初心者向きの作曲家だと思います。エドワード・エルガー(1857~1934)エドワード・エルガーは19世紀後半から20世紀にかけて活躍したイギリスの作曲家です。音楽教師でありヴァイオリニストでもあった彼は室内楽曲を中心に美しい楽曲の数々を残しました。代表曲は「特に愛の挨拶はヴァイオリンを弾く方にとっての重要なレパートリーになることでしょう。プッチーニ(1858~1924)ジャコモ・プッチーニはイタリアの古都ルッカに生まれたオペラ作曲家で、『後期ロマン派から近代音楽へ移り変わる狭間の時代に活躍し、メロディーの親しみやすさを武器にイタリア最高のオペラ作曲家と称されるほどの名声を博しました。ロマン派にて頂点を迎えたクラシック音楽。マンネリを迎えた後に革新を求めるのはどの時代においても同じです。ワーグナーが無調への扉を開いた後、フランスではドビュッシーを中心とする印象主義が台頭し、ドイツにおいてはシェーンベルグが12音技法を確立させました。以降、音楽は「尚、これまで目立つ存在ではなかったロシアからラフマニノフやプロコフィエフといった作曲家が輩出されたことも、この時代の特徴です。関連記事:関連記事:クロード・ドビュッシー(1862~1918)長調・短調にとらわれず多種多様な旋律を駆使する「広い意味での無調」を作り上げたドビュッシー。自然的な印象を直観的に音で形象化しようと試み、風景画のような作風を確立しました。代表曲は「ただ、キャリア後期は無調系の作風に完全シフトしたため、有名曲はキャリア前半に集中しています。リヒャルト・シュトラウス(1864~1949)リヒャルト・シュトラウスは85歳まで生きたオペラ作曲家です。若き頃はロマン派を代表する作曲家として器楽曲や交響詩を残し、全盛期においては前衛的なオペラを作曲して名声を博しました。現代においてはやや地味な存在ですが、当時は相当な人気を誇っていたようです。代表曲である「ジャン・シベリウス(1865~1957)ジャン・シベリウスはフィンランド出身の国民楽派作曲家として活躍し、名声を博した人物です。フィンランドの自然を感じさせる壮大な音楽が彼の特徴で、代表作には「マイナーな作曲家ではありますが、初心者でも聴きやすいためオススメです。エリック・サティ(1866~1925)サティは現代音楽家のパイオニア。調性音楽の在り方に疑問を感じていたサティは和声進行の伝統や従来の対位法の禁則を無視した音楽を作り、その型破りな音楽性から「音楽界の異端児」と呼ばれた人物です。小節線・縦線・終止線すら廃止した音楽スタイルはまさに前衛音楽の走りとなりました。とはいえドビュッシーと同じくキャリア前半においては誰もが聴きやすい美しい音楽を作曲しており、代表作である「モーリス・ラヴェル(1873~1937)ラヴェルはドビュッシーと同じ印象派の作曲家として知られる人物ですが、古典派作曲家の影響を強く受けており、「伝統と革新」を融合させた独自の世界観をもちます。古典派を意識した理論的な音の配置と印象派ならではの浮遊感のある和音構成を大胆かつ繊細に使いこなし、自作曲のみならず、他者の作品のオーケストレーションにも携わりました。代表作は「日本においても非常に人気の高い作曲家であり、私個人もラヴェルの音楽はクラシックの中でもトップクラスに好きです。このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。次の記事 高屋 ちひろ可愛いモノやオシャレなモノが好きなアマチュアヴァイオリン製作家。優れたヴァイオリンを一本でも多く作ることを目標に活動中。ブログでは製作工程や音楽に関する記事を主に更新しています。Atelier Eren (アトリエ・エレン)はアマチュアヴァイオリン製作家 高屋千尋が運営する弦楽器や音楽に関するブログです。

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