フィンランド 出生率 移民

「出生率が現在の記録的な低水準から反発しない限り、フィンランドのどの州でも死亡よりも多くの出生を記録することはありません。 念のため、これは私たちが話しているフィンランドであり、超低出生率に関する議論に通常登場する国ではありません。 意外なことにフィンランドも現在少子化の衝撃に直面しています。特にこの10年内に出生率が激減。その理由は経済への不安と子供のいない時期をより長く楽しみたい人が増えたことが背景にあるそうです。このような状況に対し、フィンランド政府はどう立ち向かえるのでしょうか。

というのも、フィンランドの出生率は歴史的低水準になっているからです。 フィンランド:2015年の出生数は55,472で前年より1,760人減少した。大飢饉の発生で出生数が一時的に減った1868年以来の歴史的低水準。特に地方での出生率の低下が顕著。 日本では近年、地方の過疎化について話題になっています。日本の都道府県でもっとも過疎化が進んでいるのは秋田県。2008年からの10年間で人口が約11%減少しました。働き手が減ることによる産業の衰退が課題となっています。しかし同じ問題を抱えた国は、他にもたくさんあります。実は、充実した教育や福祉で有名なフィンランドも例外ではありません。人口減少が進むフィンランドの地方都市「イーサルミ」を訪れて、その実体を調査してきました。フィンランドは、日本と同じぐらいの国土面積をもつ国ですが、人口は約550万人。埼玉県の人口と同じぐらいです。フィンランド全体の人口は、2018年のデータでは約0.3%とわずかながら増加しています。一方出生率は、ここ10年のうちに約20%も減少しています。日本と同じように人口が減る時期が訪れるのはそう遠くありません。そして日本と同じく、課題になっているのは地方の過疎化です。首都のヘルシンキは、東京と同じく年々人口が増えています。一方で、地方都市は年々人口が減っている街がたくさんあります。筆者の訪れたフィンランド中部の都市イーサルミでは、ここ30年近く人口が減り続けています。イーサルミでは、フィンランド国外から移住してきた「移民」に対する教育をする専門学校を視察しました。フィンランドは出生率が減ってきているにもかかわらず、国全体の人口はわずかながら増えています。それは、国外からフィンランドに移住する「移民」の人たちを受け入れているからなのです。労働人口が減っていく街では、移民たちの労働力を得ることは大きなカギとなります。しかし、世界的に珍しい言語体系をもつフィンランドでは、フィンランド語を話せないと仕事をするのが難しいという現実があります。そこで、この専門学校では、国外から移住してきた人に対して、フィンランド語を教えたり、仕事のやり方を教えたりして、地元企業への就職をサポートしています。まずは、校長先生の話を聞きました。この学校では、移民だけでなく、地元民も含めたくさんの人に言語教育や職業専門教育をしています。学べる職業のコースは100種類以上と幅広くあるそう。学校の中のトラックやトラクターの運転シミュレーターなども見せてもらいました。校長先生の話の中でもとくに興味深かったのは、やはり過疎化する街が抱える課題。「30年近く前までのフィンランドの幸せの価値観。それは、いい学校を出て、いい企業に就職して、家を買って、結婚して家庭をもつことだった。でもそれは、近年変わってきている。私の教え子は最近、学校を卒業して企業に就職したと思えば、数年で仕事をやめて世界を旅する旅人になってしまった。若者たちの幸せの価値観はどんどん変わってきている。このまま若者たちがこの街で働かなければ、いったい誰が私の退職後の年金を払ってくれるんだ!?」最後の年金の話は、ジョークのように話してらっしゃいましたが、実に本質的な課題をついています。日本が直面している問題にもよく似ています。この学校では、単に言語や職業能力に関する教育をするだけでなく、社会課題も背景に運営されています。続いて移民への授業を見学しました。クラスの生徒は15名程度。年齢は18歳から50歳を超える人までさまざま。出身の国も実に多様で、ロシア、フィリピン、タイ、オーストラリア、シリアから来ていました。移民がフィンランドに来た理由としては、現地パートナーとの結婚が多いです。一方でシリアから来た人たちは「紛争が続いて危ないから逃げてきた」と話す人もいました。いわゆる「難民」と定義されている人たちのようです。彼ら彼女らも一緒に教育を受けていました。母国語が異なる生徒に、1つのクラスでフィンランド語を教えるために、先生はフィンランド語を使いながら、フィンランド語を教えます。入学して間もない生徒は、初級のフィンランド語もわからないので、絵やジェスチャーを多用したり、教材を工夫しながら授業を進めているそうです。これらの教育に学費はかかりません。それでは、学校はどのように運営されているのでしょうか?大きな財源は、地元企業との提携によって成り立っています。仕組みとしては、まず新しく雇用を増やしたい企業が、専門学校に対して求人を出します。そこで専門学校は、学生をその企業で働けるように教育して、企業に紹介。企業は、研修と紹介をしてくれた専門学校にお金を支払います。このとき、同時に政府からも補助金が出ます。こうして、専門学校が地元企業や行政と連携することによって、移民を含む学生が地元企業に就職しやすいような環境をつくっています。日本でも、少子高齢化や地方の過疎化によって、労働力不足は深刻な課題になっています。賛否両論はあるものの、日本でも労働力確保のために移民の受け入れ体制は整備が進められています。歴史的に鎖国の時代に代表されるように、日本は他国に比べて移民の受け入れに抵抗をもつ人が少なくありません。移民の受け入れを進めることによる新たな課題は必ず起こります。実際に、フィンランドの専門学校の先生も「フィンランド人はシャイな人が多いから、移民の人たちと仲よく協力して生活していけるかは、乗り越えるべき大きな課題ではある」と話していました。また、教育は成果が出るのに時間がかかります。教育を受けた移民たちが働けるようになるまでの間は、国としては大規模な先行投資になるということも、この学校で実感しました。しかし、新たな課題があるとわかっていても、移民の受け入れは日本の労働力を増やすために、有効な手段のひとつであることには違いありません。事前に課題を予期して、対策を立てるためにも、フィンランドのように、少しだけ先を走っている国のモデルはきっと参考になるでしょう。世界の学校に飛び込んでみた の記事一覧 - バレッド(VALED PRESS)は、これからプログラミング教育やSTEM教育を学ぶ子どもをもつ親御さんにはもちろん、それに関わっていかなくてはいけない先生や、これからプログラミング教室を開きたいと思っている方にも役立つ情報を届けるサイトです。This article is a sponsored article by

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