チャイコフスキーが死の直前に完成した《悲愴》は人間の内面の苦悩や絶望そして悲観といった感情が強烈なまでに刻み込まれ、古今の交響曲の中でも広く親しまれている。カラヤンの晩年のこの作品は、彼の美学が昇華されている。 (C)RS チャイコフスキー:交響曲第5番&第6番《悲愴》 ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー 絶頂期にあった1970年代のカラヤンとベルリン・フィルによる傑作レコーディングが、新たなリマスタリングを施されて久々に復活し、ベストセラーとなっているのがこのアルバム。 ある音楽家と、特定の名曲の間に運命的な結びつきを見出すことがたびたびあるが、20世紀を代表する指揮者、ヘルベルト・フォン・カラヤン(Herbert von Karajan 1908-1989)と、チャイコフスキー(Peter Ilyich Tchaikovsky 1840-1893)の名曲「悲愴交響曲」の関係は、代表的な例と言っていいだろう。当盤に収録されているのは、チャイコフスキーの以下の2作品。 チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」の名盤は、カラヤン/ベルリンpoの76年の録音、表現力豊かで、豪華絢爛な演奏で、カラヤン/ベルリンpoの絶頂期を物語る名盤です。マルケヴィチ/NHKsoは、輪郭のくっきりしたシャープな演奏で、起伏の非常に激しい名盤です。サンティ/NHKsoは、骨格のしっかりした安定感抜群の名盤です。チェリビダッケ/ミュンヘンpoは、非常にスケールが大きく、透明感も高く、深淵な名盤です。バーンスタイン/ニューヨークpoは、遅いテンポでバーンスタインの感情を包み隠さず吐露した演奏でした。遅いテンポの四楽章はこの世との別れを惜しむバーンスタインが一音一音に必然性を込めたような名盤でした。二楽章、5拍子の揺れが心地よい演奏です。オケ全体が同じ揺れを感じながら演奏しているのが、よく分かります。饒舌な語り口。人工的な演出だと言われれば、そうかも知れません。三楽章、かなり快速に進みます。やはり音楽に前へ行こうとする力があります。ティンパニの音色感にも感服します。ベルリンpo全開のパワーも凄い。文句なし!四楽章、三楽章から一転して泣きが入ります。内面から沸き起こってくる悲しみが表出されていて、一緒に沈んで行けます。そしてさらに深い悲しみへと・・・・・・。二楽章、一転してサラリとした演奏です。最後もものすごく遅いテンポになりました。三楽章、この楽章も遅めのテンポの部類だと思います。N響大熱演です。四楽章、弦楽器の繊細な音色が美しいです。起伏の非常に激しい演奏です。二楽章、この楽章も非常に豊かな響きがしています。音楽を聴くという至福の時を感じさせてくれる演奏です。三楽章、リズムの切れもとても良いです。チャイコフスキーからイメージする寒色系の響きではありませんが、これはこれで良いと納得できる演奏です。四楽章、強烈なティンパニの一撃がありました。うわぁ~!とにかく凄いとしか言いようが無い。銅鑼の音も良かったなあ。すばらしい演奏でした。二楽章、艶やかで艶めかしい音楽です。情感を込めた音楽が迫り来るような実に生き生きとした演奏でしょう。三楽章、ゆっくりしています。とのパートも表現が積極的で、生き物のように生き生きした音楽になっています。録り方もあるのだと思いますが、どの楽器も張りのある明るい音がしています。四楽章、深遠の淵へ落ちて行くようなファゴットもとても情感溢れる演奏でした。このCDは20年ぐらい前に聞いて、そのときは全く感動しなかったのに、久しぶりに聴いてみて、全く違う気持ちになりました。感動です。すばらしいです。二楽章、一般的な演奏より若干遅いかなと言う程度のテンポです。この楽章でも豊かに歌います。中間部もテンポを維持して進みます。主部よりも沈み込む音楽ですが、淡々と進んで行きます。主部が戻り薄明かりが差すような音楽です。チェリビダッケは間を空けて流れを止めるるようなことはせずに一気にこの楽章を進めて行きます。三楽章、この楽章もゆっくりとしたテンポで弦の優しい響きが印象的です。前半は大騒ぎすることなく穏やかに進みます。ティンパニのロールも穏やかで、荒れ狂うような強打はしません。次第に強くなる金管ですが、しっかりとコントロールが効いていて、安定しています。シンバルも奥まったところから美しく響いてきました。クライマックスも美しい響きでした。四楽章、暗闇の中から響いてくるような主題が大きなうねりになって、また静まって行きます。ゆっくりと深みに落ちて行くようなファゴット。凄く感情が込められた、まさに悲愴です。このゆっくりとしたテンポに込められた音楽の深みを何と説明すれば良いのでしょう。クライマックスから音量を落としながらテンポも落としました。また、次第に暗闇の中に消えて行きました。非常にスケールが大きく、透明感も高く、深淵な演奏でした。二楽章、とても大きな表現で揺れ動きます。一楽章からは一転して速いテンポです。少し暗く沈むトリオですが、やはりテンポは速めで悲しみを振り切るように進みます。三楽章、この楽章も速いテンポでメリハリのある表現で活発に動きます。とても有機的に動く弦と木管。オケのパワーが炸裂するような咆哮はありませんが、冷静に整ったアンサンブルです。四楽章、たっぷりとしたタメがあってグッと迫って来る第一主題。ファゴットが太い音で悲しみに沈んで行きます。テンポの動きもとても大きいです。激しい部分はかなり激しく演奏しています。ドラが鳴ってからトロンボーンが大きく歌います。波が寄せては引きながら静かに終わります。とても濃厚な色彩と歌で、思い切った強弱の変化のある表現でキレもありました。悲しみに沈んでゆく四楽章も素晴らしかったです。二楽章、この楽章は特に遅いことはありません。とても良く歌う主要主題。ライヴ録音ですが、とても美しい響きです。中間部は大きく暗転せずに正確に進んで行きます。三楽章、どっしりと落ち着いたテンポです。とても静かに進みます。金管が入っても余裕のある美しい響きです。ティンパニのロールや金管の強い色彩が空気を変えます。大太鼓のロールが入った後は堂々とした行進です。四楽章、確かに遅いですが、そんなに遅いとは感じさせない第一主題。一音一音をとてもしっかりと聞かせてくれます。悲しみを誘うファゴット。第二主題もゆっくりと感情を込めて演奏します。テンポも大きく動きます。この遅いテンポはバーンスタインにとっては必然だったのでしょう。この世との惜別の表現にはこのテンポでなければ表現できなかったのだと思います。聞いていてこちらも目頭が熱くなります。ドラが入る前は壮絶な演奏になります。ドラはこの演奏にはこの音しか無いというような絶妙な響きでした。力が尽きるように次第に弱くなって終わりました。ゆっくりと濃厚な表現で色彩もとても豊かでした。バーンスタインの感情を包み隠さず吐露した演奏でした。でも金管が咆哮することは無く、ライヴでありながら非常に美しい響きの素晴らしい演奏でした。遅いテンポの四楽章はこの世との別れを惜しむバーンスタインが一音一音に必然性を込めたような表現でした。二楽章、チャーミングに揺れ動く主要主題。オケが一体になって高い集中力で訴えかけてくる中間部。濃厚ではなくサラサラとした透明感のある美しさです。三楽章、とても繊細な弦。ゆったりとしていてデリケートな表現です。金管が吠えることは無く、常に美しい演奏です。四楽章、深く感情のこもった第一主題。シルキーでとても繊細で美しい第二主題。悲しみに沈みこんで行くようなコーダではありませんでしたが、ライヴでこれだけ美しい演奏を聞かせてくれるは珍しいのではないかと思います。繊細で、シルキーで非常に美しい演奏でした。この演奏を聞くと海外での小澤の評価が高いのが分かるような気がしました。小澤の美学を貫き通した素晴らしい演奏でした。二楽章、俊敏で賑やかな主要主題。ショルティのボクシングのような指揮にオケが良く反応しています。中間部は一見淡々としているようですが、沈んだ表現もキッチリとしています。三楽章、大きな躍動感のある演奏です。それぞれの楽器キリッと立っていて精度の高い演奏です。表現も厳しく動きます。とても明快に鳴り響く演奏がとても心地良く感じます。バイエルン放送soがシカコsoのような筋肉質の響きになっています。四楽章、動きのある第一主題と静かに止まったような第二主題の対比が見事です。コーダの前も金管がかなり強く演奏します。悲しみに暮れるような表現はありませんでしたが、オケを見事にドライブした筋肉質の演奏は、生き生きとした躍動感に満ちたもので、とても聞き応えがありました。二楽章、溶け合ったマイルドな響きで美しい主要主題。悲しみを吐露するように迫って来る中間部。それでも響きは包まれているようにマイルドです。NHKホールでのライヴのようですが、音響条件の悪さをカバーして美しい響きの演奏です。三楽章、どっしりと落ち着いたテンポです。ホルンが強く豊かな表現をします。弱音では繊細な動きをする弦。大太鼓のロールが入る前で突然音量を落としてクレッシェンドしました。見事に鳴るシンバル。最後のシンバルの前でも音量を落としてクレッシェンドしました。四楽章、シルキーでとても繊細な第一主題。すごく静かで柔らかくここでも非常に繊細な第二主題。コーダも非常に美しい。ヤンソンスの表現は大きな表現はありませんが、内面から湧き上るような表現でとてもしぜんでした。非常に美しく充実した演奏でした。ライヴでこれほど繊細な響きを聞かせてくれるオケは滅多に無いでしょう。しかも音響効果としては不利なNHKホールでこれだけ美しい演奏をしたことは驚きです。二楽章、濃厚に歌う主要主題。速めのテンポでぐいぐいと進んで行きます。中間部も速めのテンポですが、ここでも濃厚な表現は変わりません。三楽章、気持ちよく鳴り響く金管ですが、しっかりと統制は取れています。四楽章、ゆっくりと感情を込めた第一主題。柔らかく微妙な表現の第二主題。オケが一体になって湧き上るような凄みのある響き。うねるようなコーダ。悲しみにのた打ち回るような感じの表現です。ねっとりとした濃厚な表現と濃厚な色彩の演奏でした。低域の解像度が低いからそう聞こえるのかも知れませんが、オケが一体になって、のた打ち回るような悲しみの表現のコーダはなかなか見事でした。二楽章、速めのテンポで活動的な主要主題。テンポも動いてとても明るい演奏です。切々と歌う中間部。ティーレマンの演奏と同じようにティンパニが大きくクレッシェンドします。柔らかく豊かな響きはとても心地良いものです。三楽章、柔らかくありながら繊細な演奏です。音が荒れることは全くありません。大太鼓のロールが入る部分も分厚くどっしりとした堂々とした王者の風格のような演奏です。四楽章、悲愴感が十分に伝わる第一主題。第二主題も悲しみでうつろになって行く感情を上手く表現しています。重い響きのドラ。波が押し寄せては引いていくようなコーダ。柔らかく美しい響きで、分厚くどっしりとしたトゥッティの安定感のある演奏でした。悲しみの表現も十分で感情の込められた演奏は素晴らしかったです。二楽章、ゴツゴツとした肌触りの主要主題。変化を克明に表現しています。速いテンポであっさりとした表現の中間部。主部が戻るととても生き生きとした表現です。三楽章、一つ一つの音にとても力があります。とても積極的で、それぞれの楽器が強く主張します。物凄いエネルギーです。四楽章、深く感情を込めた感じはありませんが、悲しみがにじみ出てくるような感じです。第二主題も明快に鳴ります。叩きつけるような激しい演奏。ゴーンと響くドラ。崩れ落ちるようなコーダ。とても音に力があって、濃厚な色彩と硬質な響きで振幅の非常に大きな演奏でした。深く感情を込めるような表現ではありませんでしたが、作品から自然ににじみ出る悲しみが上手く表現されていました。・二楽章、速めのテンポで軽快です。軽快なテンポで豊かに歌われる音楽はとても魅力的です。三楽章、はずむようなリズムで元気の良い演奏です。音楽がストレートで常に直球勝負のような潔さがマタチッチの魅力だと思います。四楽章、内面の高まりをストレートに伝えてくる音楽で、共感もしやすい演奏だと思います。二楽章、暖かく伸びやかな主要主題。あっさりとした中間部。サラッとした肌触りの音色はとても美しいです。三楽章、冒頭部分はとても弱い音で始まります。強弱の振幅はとても大きいです。ホルンが美しく咆哮します。シャープな金管の咆哮。ティンパニの強打。スッキリとしたキレの良い響きはとても心地良いものです。大太鼓のロールの最後にシンバルが入った後で少しテンポを落としてまた加速しました。気持ちよく金管が鳴り響きました。四楽章、ゆっくりと感情が込められた第一主題。柔らかく切々と歌う第二主題。スッキリとして整然とした演奏はこの楽章でも続いています。コーダは暗く沈みこむような表現でした。スッキリと整然とした演奏で、ロシア音楽の雰囲気はほとんどありませんでした。繊細な弱音から金管の咆哮まで強弱の振幅がとても大きい演奏でしたが、弱音部分がとてもあっさりしていて表題はあまり意識させない演奏だったと思います。二楽章、豊かで伸びやかな主要主題。あまり深く沈みこむことの無い中間部ですが、感情のこもった歌です。オーケストラ自らアップロードした音源なのでとても録音が良いです。三楽章、ゆったりとしたテンポですが、少しもたつく冒頭。落ち着いた堂々とした行進です。最後はテンポを速めて終わりました。四楽章、悲しみを内に込めるような第一主題。テンポも動いて激しい表現もありますが、基本的には遅いテンポで確実な演奏です。透明感の高いドラ。遅めのテンポで丁寧な演奏でしたが、あまり深く作品にのめり込むことは無く、美しい響きでスッキリとした演奏でした。二楽章、全く感情の乗らない演奏です。三楽章、わりとゆったりしたテンポで前半は大人しい演奏でしたが、やはり爆発するところは抜け目無く気持ちよくです。四楽章、なんか、とてもあっさりやられてしまって・・・・・・・。あれだけの爆発の後には、悲痛なほどの沈み込みを期待したが、この演奏には楽章によってムラがあったように感じました。二楽章、この楽章も温度感のある演奏でサラッと演奏されます。中間部はテンポを落として波が押し寄せるように歌います。この部分はロシアの寒さを感じさせる良い表現です。最後はグッとテンポを落として感情を込めた歌です。三楽章、バランスを重視した柔らかい響きの演奏が続きます。勇壮な行進曲も力づくではなく、自然な表現と響きです。ピッコロがとても強調されていました。四楽章、暖かい響きであまり悲愴の表題は意識していないような演奏です。印象的な歌もありますが、やはり響きの暖かさが悲しみを表現するには邪魔になっているようです。悲しみを表現するような部分を強調することはあえて避けているようにさえ感じますが、内側に隠れている旋律を聞かせてくれたりもして、ハッとさせられることもいくつかありました。スコアから新たな旋律を引き出したもした演奏でしたが、響きが暖かく、表現も悲愴を意識したものではなかったと思います。演奏としての完成度は高いのですが、作品にのめり込みたい人には合わない演奏だったと思います。二楽章、大きな表現で豊かに歌う主要主題。間があったりもします。テンポは速めです。俊敏な動きの弦。中間部は息の長い歌で暗く沈んで行きます。三楽章、速いテンポで鮮度の高い生き生きとした表現です。凄い躍動感で積極的な演奏です。金管が咆哮することはありませんが、積極的な表現には惹きつけられます。四楽章、厚みがあって濃厚な第一主題。暖かい第二主題。朗々と歌う弦。コーダは悲しみに暮れるような演奏ではありませんでした。濃厚な歌と色彩で、ねっとりとした表現でした。強弱の振幅はあまり大きく無く、四楽章のコーダはあまり悲しみを表現しませんでした。二楽章、自然体で大きな表現の無い主要主題。中間部も淡々と進みますが、少し暗い影を感じさせます。中間部は強弱の変化も大きく歌います。三楽章、速いテンポで推進力があります。躍動感があってとても弾みます。軽い行進曲で金管も控えめで整然としています。四楽章、ここでもあまり大きな表現をしない第一主題。柔らかく感情が込められた第二主題。感情を吐露するような金管とティンパニ。ドラはとても軽い響きでした。明るいトロンボーン。引きずるようなコーダ。自然体な部分と感情を込めた大きい表現がありメリハリのはっきりとした演奏でした。ロシアのオケにしては金管の咆哮もほとんど無く、整然とした演奏でしたが、ちょっと作為的な表現もありました。二楽章、とても豊かに歌う主要主題。テンポも速めで生命感があります。主要主題から一転して落ち着いた表現になる中間部。最後はゆっくり濃厚な表現でした。三楽章、明快に鳴る金管。芯が強くキリッとした弦と木管。精緻でとても見通しが良い演奏です。大太鼓のロールがある部分の最後でテンポを落としました。四楽章、激しい振幅のある演奏です。コーダの手前は畳み掛けるように突き進みます。軽い響きのドラ。物悲しいコーダ。個々の楽器がカチッとした硬質な響きで激しさはかなり表現されていました。積極的な表現も随所にありましたが、硬い響きの分、広がりが無く小さくまとまった感じになってしまいました。二楽章、とても生き生きとした表現の主要主題。時に激しいとさえ思える程の歌です。暗く沈む中間部。表現の振幅はとても大きいです。ティンパニも大きくクレッシェンドします。三楽章、克明で濃厚な色彩で溢れ出すような音の洪水はとても凄いです。テヌートぎみに演奏する部分が多いです。金管は決して咆哮せず、軽く演奏しています。終わり近くで凄く音量を落としました。四楽章、とても感情のこもった第一主題。かなり音量が増減します。音量を抑えて始まる第二主題。とても良い音で鳴るドラ。ティーレマンがストレートに感情を表現した演奏だったように感じました。あまりにも歌が大きい表現になりすぎて聞いていてちょっと引いてしまうような部分もありました。二楽章、表情豊かな主要主題。あまり沈み込まない中間部。ストレートに歌います。三楽章、この楽章を分解して見せているような遅いテンポです。楽器を受け渡しするチャイコフスキーのオーケストレーションがとても良く分かります。響きは厚くはありませんが、細部まで見通せる演奏です。金管が吠えることも無く落ち着いた感じで進みます。四楽章、この楽章もあっさりとした第一主題でした。第二主題も特に何かを表現しようとはしていないように素っ気無い演奏です。余計な表現をしていない分、音楽がとても自然に流れて行きます。粘るような表現は全くしません。明るい響きのドラ。あっさりと感情を込めた粘りなどはまったく無い演奏でした。作品そのものを表現したものでしたが、自然な流れはとても良いものでした。二楽章、一楽章に比べるとサラッとした主要主題。ゆったりとしたテンポで豊かに歌いますがあまり沈まない中間部。主部が戻ると豊かな歌になります。三楽章、速いテンポにオケも面食らったように落ち着かない演奏です。テンポになじんでくると、とても活発に動いて激しい表現の演奏になります。物凄いテンポで猛烈な演奏です。四楽章、三楽章の勢いそのままに激しく演奏される第一主題。第二主題も大きな声で訴えるような演奏です。コーダも激しく悲しみを訴えています。かなり激しく感情を吐露する演奏でした。静かに悲しみをこらえるような感じでは無く、大声で泣き叫ぶようでした。かなり異色な演奏だったと思います。・二楽章、緩急の差を大きくとった演奏で豊かな表現の演奏です。特にテンポを遅くした部分は惹きつけられます。三楽章、四番の録音には、もう少し奥行き感があったのですが、この録音は平面的な感じで、音楽も浅く感じてしまいます。四楽章、悲しみの淵へ落ちて行く表現は作為的なところがなく、ストレートに伝わってきます。二楽章、中庸です。三楽章、ゆっくりです。柔らかい演奏ですが、金管の伸ばす音を押すのはいただけません。ティンパニのロールに強烈なアクセントには驚きました。四楽章、朝比奈の姿勢は基本的に自然体なので、チャイコフスキーのような情感たっぷりな作品の場合は、過剰な演出などはまず無いので、語り口勝負のような器用な演奏にはなりえません。この、ほとんど直球勝負のような演奏にも魅力は感じますが、やはり朝比奈はブルックナーやベートーヴェンで本領発揮のような気がします。二楽章、速目のテンポでスタートしました。上岡は独特の間を持った指揮者のようです。三楽章、柔らかい音が心地よい始動です。かなり抑制の効いた演奏で、導入部分は爆発しません。極めてソフトな演奏です。金管が突き抜けて来ることもなく、穏やかな音楽になっています。微妙な強弱の変化が独特で、印象的な表現です。大太鼓のトレモロにトロンボーンの旋律が乗る部分でも大太鼓が勝っているような感じで、管は控え目です。ただ、とても表現が豊かで、一つのメロディーの中にも強弱の変化があってとても面白く聴かせてくれました。四楽章、アタッカで入りました。ファゴットが陰鬱に下降していった最後も独特の歌いまわしがありました。金管が入る部分では、少し弱めに入って山を作るような感じの演奏です。クライマックスでも決して咆哮などはしません。とても抑制の効いた演奏です。とても念入りなリハーサルを繰り返して表現を徹底した演奏だったと思います。現在の指揮者の中ではとても個性的な部類だと思います。今後の活躍に期待したい指揮者の一人です。二楽章、とてもチャーミングな木管です。コンセルトヘボウはホールと一体になった音色の魅力は他のオーケストラにはないものがあります。三楽章、堂々としたテンポでブラスセクションの鳴りも抜群で、気持ちいい。四楽章、小技が利かないハイティンクが切々と音楽を語りかけてくるようなこの楽章。大げさな表現がないところにかえって好感が持てる演奏です。二楽章、優雅に歌います。中間部はさほど暗い雰囲気は無く、表題を強く意識した演奏では無いようです。ティンパニは速いリズムを正確に刻んで行きます。三楽章、ゆっくりとしたテンポで始まりました。次第にテンポを速めて行きます。奥まったところから輝かしいトランペットが響きます。気持よく鳴り響く金管。オケの上手さは存分に発揮されます。堂々とした行進曲です。四楽章、悲しみを強く意識した演奏には感じません。どこか暖かい感じがします。聞き終えても深い悲しみが残るような演奏ではありませんでした。レヴァインらしあっけらかんとした演奏でした。ただ、オケの上手さは特筆ものです。二楽章、この楽章もシンプルで薄い響きですが、歌はとても豊かです。中間部も切々と歌います。主部が戻るとまた伸びやかな歌です。ウィーンpoらしい濃密な色彩感がとても良いです。三楽章、速いテンポでねっとりと艶やかなヴァイオリン。強弱の振幅はあまり大きくありません。大太鼓の入る部分でも金管は全開にはならず、速めのテンポであっさりとした演奏でした。最後は雪崩れ込むように終わりました。四楽章、流れるように進んで行きます。あまり悲しみに打ちひしがれるような感じはありません。豊かな表現で良く歌う演奏でしたが、トゥッティの響きが薄く、強弱の振幅もあまり大きくありませんでした。また、四楽章が悲しみに沈んでゆくような感じがあまり無かったのが少し残念でした。二楽章、伸びやかで豊かな歌の主要主題。あまり暗く沈まない中間部。中間部ではメロディーが繰り返される二回目の音量を落として演奏しました。三楽章、自然体で流れの良い演奏ですが、その分アクセントなどのアーティキュレーションに対する反応が弱いので、キュッと締まった感じはありません。金管はここでも気持ちよく鳴り響きます。四楽章、二楽章、速めのテンポでサラッと演奏される主要主題。細身ですが、整ったアンサンブルです。中間部も速めのテンポであっさりと進みます。三楽章、金管も軽く、あまり強弱の振幅が大きい演奏ではありません。四楽章、最初の音にタメがある第一主題。第二主題は息の長い演奏でした。テンポが大きく動くことは無く、どっしりとしています。お寺の鐘のようなドラ。特徴のある表現も一部にはありましたが、総じて標準的な演奏と言う感じでした。二楽章、細身でサラッとした肌触りで美しく主要主題。中間部は速めのテンポで淡々とした演奏であまり沈んだ感じはありません。三楽章、弦のアンサンブルや木管の旋律の受け渡しなどがあまり丁寧では無い感じで、少し乱れます。金管は濃厚な色彩です。大太鼓のロールがある部分の最後で大きくテンポを落としました。最後はアッチェレランドして終わりました。四楽章、あっさりと淡白な演奏です。あまり表題を意識せずに楽譜に忠実な演奏をしているようです。コーダの前の強奏部分も粘った表現は無くとてもあっさりとしています。コーダもサラッと終わりました。三楽章ではテンポの動きもありましたが、全体としてはとてもあっさりと淡白な演奏で、感情を吐露するような表現はありませんでした。あまりにも淡白で表題とはかけ離れた演奏のように感じました。二楽章、歌があり豊かな音楽ですが、この楽章でも極端なテンポの動きがあります。それぞれの楽器が主張し強弱の変化も大きくてとても生き生きとした生命感に溢れる音楽です。ただ、この大きなテンポの動きにあざとさも感じます。ストコフスキーの内面から自然に出たものではなく、意図的に仕掛けたもののように感じます。三楽章、色彩感が鮮明です。独特のスラーがあったり普通の演奏とは違います。テンポも途中で遅くなり盛り上がりへ向けてアッチェレランドしました。四楽章、速めのテンポで突入しました。この楽章はテンポの動きもなく、純粋な音楽です。かなり大きめの音で軽いドラの響き。淡々とした演奏で、悲しみの淵へ落ちていく様な演奏ではありませんでした。かなり作為的なテンポの動きなど、ストコ節全開の演奏でした。私にはこの作為的な演奏には共感できませんでした。二楽章、滑らかな中に自然な歌がある主要主題。録音が飛び飛びになります。かなりナローレンジで解像度も低いです。三楽章、録音のせいか、静かに始まる弦に比べると飛び出す木管。金管が入っても大騒ぎすることは無く、落ち着いた演奏です。四楽章、録音が悪くしかも音や画像が飛んだりして安定した再生が出来ませんでした。演奏の細部もあまり分からず良かったのかどうかも分かりません。二楽章、この楽章もあっさりとした表現で淡々と進んで行きます。中間部も大きく歌うことは無く速いテンポで進みます。三楽章、アクセントがあまり強く無く、音楽がなだらかに流れて行きます。やはり音が整理されている感じでとてもスッキリとスリムな演奏です。大太鼓のロールが入る部分もとてもスッキリと軽い感じでした。テンポもとても落ち着いています。四楽章、深く感情を込めるような表現は無く、とてもサッパリとしています。コーダも沈んでいくような表現は無くとてもあっさりとしています。感情を込めることは無く、とてもあっさりとした表現の演奏でした。音も整理されていて、スッキリとした響きでしたが、その分寂しく厚みの無い響きになりました。二楽章、上滑りしているような感じがして、何も伝わってきません。5拍子の揺れも感じられない。三楽章、音楽が前のめりにならない。前進しようとする生命感のようなものも感じられない。四楽章、三楽章と対比して、ぐっと重く沈みこむような音楽が聴きたいところなのですが、アバドの指揮では、ムリな要求のようです。作品に没入したいと思う心を、アバドが邪魔をしているような感じがして、何とも・・・・・・・・。・
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